コロナウイルスの動向と感染予防解除の動きについて|いちまる内科・呼吸器内科クリニック|山の街駅の内科・呼吸器内科

〒651-1221兵庫県神戸市北区緑町7-2-3 MDビル2-2F
078-586-1567
ヘッダー画像

ブログ

コロナウイルスの動向と感染予防解除の動きについて|いちまる内科・呼吸器内科クリニック|山の街駅の内科・呼吸器内科

コロナウイルスの動向と感染予防解除の動きについて

おかげさまで、当院も無事会員1周年を迎える事ができました。

本当に多くの患者様やスタッフ、たくさんの医療機関の皆様に支えられながら、長いようで短い一年でした。

さて、先日日本内科学会総会が行われ新型コロナウイルスに関してもこれまでの知見をまとめた講演が見受けられました。

その中でも日本政府にもデーターを上げている疫学の大家の先生のお話が面白かったのでご紹介します。

その先生によれば、欧州の国のコロナウイルスに対する自然免疫抗体(コロナに対する抵抗力)の国民の保有率は実に85%にも達するとの事です。バラエティーなどで海外からの放送を良く目にするようになりましたが、ヨーロッパのひとがマスクもせず普通に「コロナなんておわったよ」って感じで過ごしているのもうなづけます。

これに対して日本の自然抗体保有率は、なんと30%いっていないのです。8波もの大きな感染と数多くの死者、リスクも含む予防接種を繰り返して、その挙句が3割にも満たない人しかコロナに対する抵抗力が無いのです!

この状態で、コロナを5類にしてコロナは終わりましたよ、マスクなんていらないよと宣伝し、入場制限も感染予防も国民任せにしたらどうなるでしょう?

現在、世界の専門家の中では、日本は「今後コロナの感染率・高齢者死者数が世界一になる」事が予測されているのです。この事は当然政府も知っています。しかし、だからと言って日本だけマスクも感染予防も水際対策もしますよと言えば、外国人観光客が日本に来ません。来ても日本人から白い目で見られ摩擦が起こります。ですからインバウンドを稼ぐために日本人の安全は二の次にした政策を取るのです。

元々世界でも有数の負債国であった我が国はコロナ禍でますます経済的に危機的な状況に陥っております。残念ながら政府がこのような国民に対し「コロナは皆かかってね、弱毒化して来たし、中には死ぬ人もいるだろうけど皆は死なないのでいいんじゃない」という政策を取らざるをえないのも理解はできます。しかし現場で一人一人の大切な命を守ろうと、必死で戦っている我々医療関係者からするとやはり納得いくものでもありません。

5類になって、風邪だから一般のクリニックもコロナを診てねと政府は言います。しかし当院の様に導線を分けれない医院では、院内感染リスクが避けれません。ましてや呼吸器内科に来院する患者様はコロナに感染したら重症化するリスクの高い患者様ばかりです。患者対応には予防着や予防道具も必要で、物によりますが患者毎に使い捨てしなさいとも言ってきます。しかし、5類だから今まで発熱外来をしていた病院などへの手当や感染予防用の補助金もなく、病院やクリニックの負担でしてねと言います。これでは、多くの病院、クリニックが感染者の対応が出来なくなり、発熱外来や感染者の治療もやめていったりできなくなったりします。

今後医療現場では大きな混乱がおこり、熱をだした患者さんはどうしたら良いのか困ることになるでしょう。その上で先の抗体保有率の低い中での感染予防体制の緩和です。第9波以降の波が無事終わる事を心から祈るしかありません。

当院もまだ、皆様の安全を確保しながら、どう対応して行けばよいか模索中です。これからも一生懸命に考えながら、患者の皆様の笑顔と健康を守る為に頑張ってゆきます。

春はたけなわ、楽しいゴールデンウィークも待っています。大変な毎日ではありますが、前を向いてできる事をしながら、お互いに日々健康に過ごして行きましょう。皆様の笑顔に毎日力をもらっております。これからも皆様と一緒に歩んでゆきたい。そう思う今日この頃です。