いびきのある方へ 睡眠時無呼吸症候群について|いちまる内科・呼吸器内科クリニック|山の街駅の内科・呼吸器内科

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いびきのある方へ 睡眠時無呼吸症候群について|いちまる内科・呼吸器内科クリニック|山の街駅の内科・呼吸器内科

いびきのある方へ 睡眠時無呼吸症候群について

みなさんこんにちは

早いもので、開業からもうすぐ2か月が過ぎようとしています。

この間、深堀クリニックに通っていらっしゃた患者様を中心に沢山の方がクリニックにいらっしゃいました。

そのなかでも睡眠時無呼吸の治療として持続陽圧マスク(CPAPマスク)の治療を受けている方の数が多いことに驚きました。そこで今日は本日から当院でもオーダー可能になった睡眠時無呼吸症候群の簡易検査や無呼吸症候群についてお話ししたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群という言葉が有名になったのはおそらくは、NASAのスペースシャトルの打ち上げ失敗事故や本邦での新幹線のオーバーラン事故のニュースでの事と思います。

元々夜間の無呼吸には脳からの呼吸命令が止まってしまう中枢性無呼吸とのどの落ち込みによる閉塞性無呼吸症候群、そして両者が混ざった混合型無呼吸症候群に分かれます。

いわゆる無呼吸で話題になるのは後の2者です。首が短く太いいわゆる「いのくび」の方や太っている方、元々ののどの奥の形などで、寝ているときに筋肉の緊張がゆるんで舌根(舌の奥の付け根)が落ち込んで空気の通り道「気道」が詰まってしまいます。これにより息が止まる現象を閉塞型無呼吸と呼んでいます。

よくあるのはいびきがひどく急に音が止まって、心配してみていると「かっ」という音と共に呼吸が再開するというような現象が起こります。

人によっては2分ぐらい息が止まっていることもあり、この間低酸素血症や交感神経の刺激により心臓や血圧、様々な臓器に悪影響が出るほか、頭痛や昼間の眠気といった生活への支障がおきます。また明らかな眠気が無くても集中力が落ちて仕事や勉強の効率が落ちたり、ミスが多くなって社会生活に影響がでることもあります。先に挙げた事故以外にも隠れ無呼吸による生活への悪影響はたくさんあるといえます。実際無呼吸の人の多くに高血圧が合併していますし、血管の病気や糖尿などへの影響も示唆されています。

本来呼吸が止まったり(10秒以上の停止を無呼吸といいます)、浅くなったりする回数が1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群(睡眠呼吸障害SDBとも言います)と診断されます。重症度はこの回数が5回以上で軽度とされ「あまり集中していない時に思いかけず眠ってしまう」などの症状がでるといわれ、15回以上で中等度「多少集中が必要な時に気づかずに眠ってしまう」例えば会議やコンサート、発表の際にコントロール不能な眠気に襲われ眠ってしまうとされ、30回以上で重度「かなり集中が必要なときでも眠ってしまう」例えば歩行中や運転中とされます。60回以上で超重症と呼ばれます。このなかで20回以上になると治療対象とされて、のどが詰まったさいに空気を通して低酸素を防いでくれる機械(持続陽圧呼吸;CPAP)を付ける治療が始まります。

この為の無呼吸の回数や時間、重症度を調べる検査がいわゆる無呼吸検査というもので、指先の酸素濃度及び脈拍数といびきや空気の流れのみで診断する「簡易型」と、脳波や胸郭の動き腹部の動きなどを詳しく診る「ポリソムノグラフィー;Polysomnography検査」があります。

この簡易型検査が本日より当院の外来でオーダー可能となり、外来で依頼があれば委託会社からご自宅などへ連絡が行き自宅に検査キットが郵送されてきます。つけ方などわからなければ同社のサポートがあります。人に会うことなく誰でも気楽にご自宅のいつもの寝室で検査ができます。その後機会が回収され結果が当院へ送られてきますので次回受診時にご説明いたします。

但しこの簡易検査だけでCPAP治療が必要な重症度と判断するには、先の無呼吸低呼吸の数が1時間に40回以上必要です。15回以上の中程度以上でもこの40回に満たないときには、ポリソムノ検査が必要になり、その機械を持つ大きな病院(当院からですとJCHO神戸中央病院や大学病院、神戸中央市民病院等)や睡眠専門のクリニック(前田クリニックさんなど)に紹介します。

実は、現在東灘区より西にお住まいの方に関しては当院でもこのポリソムノ検査が可能です。ご自宅に委託会社の技師が夜間に伺い機械を装着し帰ります、翌朝機械を自分で外してもらいその後機械が回収されます。

睡眠時無呼吸症候群は30歳~60歳の男性の4%、女性の2%は居るといわれますが、自覚症状のない人も入れると男性で24%(5人に一人)、女性の9%(10人に一人)(米国データー)にものぼり、特に日本人は肥満が軽くても人種的にのどの形状で無呼吸の患者が多いとされています。決して珍しい病気ではありません。

無呼吸を放置すると、高血圧(普通の人の2倍の発生率)、多血症、脳梗塞(4倍)、不整脈、狭心症や心筋梗塞、糖尿病(1.5倍)、心不全、男性不能などの合併症の発生や症状の悪化につながるともいわれています。

以下のテストで思い当たる人はまずご相談ください。クリニックでお待ちしています。

Epworthの眠気テスト(ESS)以下の場面で【0点:うとうとする可能性はほとんどない。1点:うとうとする可能性は少しある。2点:うとうとする可能性は半分くらい。3点:うとうとする可能性が高い】で点数をつけて合計点を出して下さい

1.座って読書しているとき

2.座ってテレビを観ているとき

3.会議、映画館、劇場などで静かに座っているとき

4.乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき

5.午後に横になって、休息をとっているとき

6.座って人と話をしているとき

7.昼食をとった後(飲酒なし)、静かに座っているとき

8.座って手紙や書類などを書いているとき

10点未満 正常、11~14点 軽度の眠気、15~18点 中程度の眠気、19点以上 高度の眠気